〜ひそやかに咲く名も無き花〜

思考整理、時々ポエマー。自作です。著作権フリーではありません。

さすらいのライター

夢物語シリーズ④

『朝食』 フライパンにベーコンを広げその上に卵をおとす。蓋をしてカットしたフランスパンをトースターへ入れ 手際良くサラダを皿に盛る。ドリップコーヒーのいい香りがキッチンを包む。 私は誰かと笑い合いながら朝食を食べていた。お腹が満たされて カッ…

夢物語シリーズ③

『真白』 真っ白な世界雪ではないただただ どこまでも白いところに一人で座っていた誰もいない 「おーい、誰かいますかー」 叫んだつもりだったが私の声は白に吸い込まれた 目の端に さっきまでなかった黒い点がみえた 「(おーい、誰かいますかー)」叫んだ…

半径1mの平和

『#半径1mの平和』𝕏の企画に乗っかりました 『半径1mの平和』 大事なものは手に届くところにはないでもそれがいいと思う 爪の先から胸の中心まで約75cmそれより少し先グッと伸ばして足は届くが手は触れない 私のパーソナルスペースはそれより広いこの範囲に…

ホットミルクの後は

『#飲み物と推しと』𝕏の企画に乗っかりました 『ホットミルクの後は』 「ねぇ、ひと息つかない?」 眉間に皺を寄せ一枚の紙をずっと眺めている相方に声を掛ける。 「緑茶、ほうじ茶、紅茶、コーヒー、ハーブティーなど様々とり揃えておりますよ。」 「え?ラ…

夢物語シリーズ②

『海はどこだ』 何をしてたのか、なぜここにいるのかわからない。帰りたい。いや、どこへ? 駅を目指せば見つかるかもしれないと思ったが、方向もわからぬまま 深夜の住宅街を彷徨っている。 何かと失敗が続いて何もかも嫌気がさし、飛び出して東にひたすら…

夢物語シリーズ①

『砂糖か塩か問題』 もう1時間くらいキッチンで考え込んでいる同じ容器に入った似ている物体を前に 白い粒。。。右か左か? 『砂糖か塩』 とはいうが『塩か砂糖』 とは…あまり聞かない 砂糖と塩の関係上も下もないだろうが砂糖のほうが減りは早い 横書きは左…

別れを惜しむ恋愛

※ 携帯小説風の読み物です。※ 1.疑似恋愛 【擬似恋愛】の中で、渡辺莉央と上条守が2週間をともに過ごし、つくりあげた短編小説が出来上がった。編集長の計らいと、ちょっとしたイタズラ心に翻弄された二人だったが、無事に終ったようだ。「『別れを惜しむ…

疑似恋愛

※ 携帯小説風の読み物です。※ 1.別れ 飽きっぽい性格。物にも人に対しても。長く続いたためしがない。 彼女はボンヤリと、こんなことを考えていた。彼から呼びだされ、別れ話の最中である。 正直 めんどうになっていたし、このところ連絡も途絶え、お互い…

さくらのはな

1.はじまり 今年の桜の開花は遅い。そうニュースでいっていた。まだ蕾がかたいようだ。 いつもの時間、いつもの仕事帰り。自転車で駅まで向かう途中にある並木道。この【いつものことも】今日で終わる。セリナはふと立ち止まり、昨年のことを思い出してい…