〜ひそやかに咲く名も無き花〜

思考整理、時々ポエマー。自作です。著作権フリーではありません。

夢物語シリーズ①

『砂糖か塩か問題』

 

もう1時間くらいキッチンで考え込んでいる
同じ容器に入った似ている物体を前に


白い粒。。。右か左か?


『砂糖か塩』 とはいうが
『塩か砂糖』 とは…あまり聞かない


砂糖と塩の関係
上も下もないだろうが
砂糖のほうが減りは早い


横書きは左から
とすると
左が砂糖で右は塩


それとも昔ながらに
右が砂糖で左は塩?


粒は左が若干 粗い
匂いはしない


甘さとしょっぱさ
和菓子も煮物も
甘みをひきたたせるために塩をつかう
塩味を引き立てるために砂糖は……
使うんだっけ?


舐めてみれば明らかなのだが
それはしない
目の前にポットを並べて
だだぼーっと眺めていた

 


いつしか海に思いを馳せていた
浜辺で海水を何度も濾過し
大鍋でひたすら加熱する
蒸発していく湯気
照りつける太陽
夏日
汗だくになりながら


なぜ こんな日を選んだのか
冷たい飲み物を口にした
生き返る気分だ
塩を作るのに数日かかりそうだ
天気予報とにらめっこしていた

 


場面はかわり喫茶店


コーヒーカップと角砂糖
ひとつ、ふたつ…
カップに入れていく
3つめで手をとめ首をふる
コーヒーを味わえるようになりたくて
通いはじめた
ブラックを一口すすっては苦い顔をして
ひと月たっても まだ砂糖がやめられない
大人になるには まだ修行が足りないようだ

 


そして現実世界に引き戻される


そうか、ラベルだ!
ラベルを貼っていたはずなんだ
いったい誰が剥がしたのか
劣化で剥がれてしまったのなら
その辺に紙があるだろう?
なぜ見当たらないんだ


見当違いのことばかりだな
世の中というのは
いや、ちがう
まるでなってないのは自分なのだ


名前がなければ
表現したり判断することが
なんと難しいのだろうか

 

いつも迷走ばかりしている

このボヤけた世界。。。